教育実習で新しい体育の教え方を実践するには?
本記事では、2026年に学術誌『Physical Education and Sport Pedagogy』に掲載されたBrendan MoyとTony Rossiによる研究論文を紹介します。この研究は、教員養成課程の学生(プレサービス教師)が教育実習において、従来とは異なる体育の指導法をどのように実践できるかを探究したものです。
研究の背景
体育教育の分野では、近年、従来の技能中心・競技中心の指導法から、より包括的で学習者中心の指導法への転換が求められています。このような「オルタナティブ(代替的)な体育教育法」には、例えば、スポーツ教育モデル、協同学習、理解に基づくゲーム指導法などが含まれます。
しかし、大学の教員養成課程でこれらの新しい指導法を学んだとしても、実際の教育実習の現場でそれを実践することは容易ではありません。実習校の既存の文化や指導教員の考え方、時間的制約など、さまざまな障壁が存在するからです。
研究の目的
本研究は、教員養成課程の学生が教育実習において、オルタナティブな体育教育法を実践する際に、どのような支援が有効であるかを明らかにすることを目的としていると考えられます。特に、大学側からのサポート体制や、実習校との連携のあり方などが焦点となっている可能性があります。
研究の意義
この研究は、理論と実践のギャップを埋めるための重要な示唆を提供します。教員養成課程で学んだ革新的な指導法が、実際の教育現場で根付くためには、単に知識を教えるだけでなく、実習段階での適切な支援体制が不可欠です。
プレサービス教師とは
プレサービス教師とは、教員免許取得を目指して教員養成課程で学んでいる学生のことを指します。まだ正式な教員資格を持たず、教育実習などを通じて実践的な経験を積んでいる段階の学生です。
現場への示唆
本研究から得られる知見は、以下のような関係者にとって有益と考えられます:
- 教員養成機関: 教育実習における支援体制の構築や、実習校との連携強化のための具体的な方策を検討する際の参考になります。
- 実習指導教員: 学生が新しい指導法に挑戦する際の適切なサポート方法を理解できます。
- 教育実習生: 実習において革新的な指導法を実践する際の課題と対処法を事前に知ることができます。
まとめ
体育教育の質を向上させるためには、新しい指導法の普及が重要です。しかし、それを実現するには、教員養成段階での適切な支援が欠かせません。本研究は、プレサービス教師が教育実習という重要な学びの場で、オルタナティブな体育教育法を実践できるようにするための支援のあり方を探究したものであり、今後の教員養成プログラムの改善に貢献する研究といえるでしょう。
※本記事は論文のタイトルと書誌情報に基づいた概要紹介です。研究の詳細な方法論や具体的な知見については、原論文をご確認ください。
専門家コメント
日本では、基本的には教師主導の学習指導スタイルが主流であり、子ども中心の学習指導スタイルは局所的に教師個人の授業探求の中で見出されることが多い。何らかの理論に根付いた学習指導スタイルが普及しない要因の1つとして、教育実習先の教師の指導スタイルが大学で学ぶ指導スタイルと一致していないことが挙げられる。また、教育実習先の教師も自身の経験の再生産の中で体育授業を行うことが多いため、理論的視点が実習生に育ちにくいことが問題点として挙げられる。この論文はまさにその一端を示すような有益な知見を提供している。
元論文情報
- タイトル: Supporting preservice teachers to implement an alternative physical education pedagogy on practicum
- 著者: Brendan Moy, Tony Rossi
- 掲載誌: Physical Education and Sport Pedagogy
- 発行年: 2026
- DOI: 10.1080/17408989.2024.2304845
- URL: https://doi.org/10.1080/17408989.2024.2304845


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