教育ニュースまとめ 2026年9月5日|PISA2025は91か国76万人参加、英11プラス教材は年600ポンド

教育時事

OECDのPISA2025が、9月8日に公表される。91か国・地域、76万人以上の15歳が参加し、生徒が学校の課題にAIをどう使っているかのデータが初めて収録される。今日は海外の2件を取り上げる。このPISAの予告と、英国の11歳選抜試験をめぐる練習教材ビジネスの調査報道である。学力調査と選抜試験という「測ること」に関わる2本を並べて読むと、試験に権威を与えたときに社会がどう動くかが見えてくる。

OECD、PISA2025の結果を9月8日に公表…91か国・地域の76万人が参加、生徒のAI利用データも初収録

OECDは、9回目となる国際学習到達度調査(PISA 2025)の報告書を9月8日に公表すると予告した。今回は91か国・地域の76万人以上の15歳が参加し、科学的リテラシーを中心分野として、読解力・数学的リテラシーに加え、新たに「計算論的問題解決」の結果も示される。報告書には、生徒が学校の課題にAIをどう使っているかに関する新しいエビデンスも盛り込まれ、教育におけるAIの役割をめぐる国際的な議論に材料を提供するという。9月29日には、教員不足を特集した『Education at a Glance 2026』の公表も控えている。

出典:OECD「OECD to launch PISA 2025 on 8 September 2026」(2026年9月・メディア向け発表予告)

筆者コメント

PISAの結果は、順位が上がったからといって必ずしも国民の幸福につながるわけではない。順位の上下に一喜一憂するのではなく、冷静に受け止める態度が必要である。そのうえで、今回初めて示される生徒のAI利用と学力との関係は、興味深いデータになりそうである。AIをどう使う生徒がどのような学びを実現しているのかは、これからの授業づくりを考えるうえで参考にしたい。また、月末に公表される『Education at a Glance 2026』が特集する教員不足のデータも、同じく注視したい。日本の教員養成や教職の魅力をめぐる議論を、国際比較の中で位置づけ直す手がかりになるはずである。

英国の11歳選抜試験、練習教材が年600ポンド超…試験提供業者が教材も販売し「家庭教師の軍拡競争」に

Schools Weekの調査報道によると、イングランド35自治体に163校あるグラマースクール(選抜制中等学校)の入学試験「11プラス」で、試験問題を提供する大手業者が同時に有料の練習教材を家庭に販売しており、最も高額なものは年600〜670ポンドにのぼる。大手のGL Assessmentは2024年に2,500万ポンドの利益を計上し、Atom Learningも売上と利益を大きく伸ばした。無料教材で試験を提供するレディング校の校長は、練習問題の販売が「家庭教師の軍拡競争」を生み、最も不利な家庭に不公平だと批判する。11プラスの試験はOfqualなど国の試験規制機関の監督外にあり、教育政策研究所の分析では、選抜地域のほうが給食無償対象児とそれ以外の学力差が大きいなど、選抜制度が社会移動を促していないことを示すデータも示された。

出典:Schools Week「£600 for practice tests creates ‘11-plus tutoring arms race’」(2026年9月3日)

筆者コメント

統一試験に権威性を与えれば、その試験に向けた準備が過熱し、対策にお金をかけられる家庭が有利になる。こうなるのは人間の性であり、英国に限った話ではない。ただ、試験を提供する業者が、その試験のための教材を自ら作成して販売しているというのは罪深い。出題する側が対策を売れば、対策を買った者が有利になる構造を自ら作り出すことになり、試験の公平性は業者の商売のなかで削られていく。選抜の仕組みそのものを問う以前に、まずこの利益相反をどう扱うかが問われるべきである。

本記事の要約は各出典記事の内容にもとづき、筆者が要点を整理したものです。

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