教育ニュースまとめ 2026年9月10日|PISA2025、米国の読解力は14点低下し学力格差は参加国中最大に

教育時事

米国の15歳の読解力は、PISA2025で前回調査から14点下がり、上位層と下位層の得点差は参加国・地域の中で最大になった。世界トップ水準の成績に沸く日本の報道とは対照的に、米国の教育専門紙Education Weekが何を焦点にしたかを、今日は1件に絞って読む。

【米国】PISA2025で読解力が急落、米国は上位層と下位層の差が参加国中最大に

OECDが9月8日に公表したPISA2025で、米国の15歳の読解力は前回2022年調査から14点低下した。この下げ幅はOECD平均の低下幅と同じで、OECDの推計ではおよそ6〜7か月分の学習に相当する。数学と科学は前回と統計的に有意な差がなかったが、10年単位でみればいずれも低下しており、数学の順位は27位と、読解力や科学に比べて相対的に弱い。一方で読解力の絶対水準は依然として高く、米国を上回ったのはシンガポール、中国の4地域、台湾の3つの教育システムだけだった。

記事が最も重くみているのは格差である。米国は読解力で上位層と下位層の得点差が参加国・地域の中で最大となり、科学でも得点差が約300点に達して、成績が同程度の13か国のうち12か国より大きかった。米国教育統計センターの担当者は「米国は生徒を極めてよく教育する力を持っている」としたうえで、苦戦している生徒がその恩恵を十分に受けていないと述べている。マクマホン教育長官はこの格差を根拠に学校選択制の推進を訴えた。

背景データも注目される。生徒の約半数が週1回以上AIを学習に使い、3人に1人が課題の文章作成にAIを用いていると回答したが、AIによる作文支援の利用と読解力の得点にはおおむね負の相関がみられた。読解の設問では長文や複数テキストの評価で苦戦し、速く読んで誤答する「性急な読み手」の割合が増えていた。OECDのシュライヒャー局長は、楽しみのための読書の減少とSNSを流し読みするデジタル読書への移行が、複雑なテキストと向き合う力を損なっている可能性を指摘している。ただしPISAは因果関係を示すものではない。

出典:Education Week「Reading Ability Craters on International Exam, Both in the United States and Abroad」(2026年9月8日)

筆者コメント

PISAの成績がその国の経済的成功を予測するものではないということが、米国の事例からよくわかる。読解力の順位は高く、それでも国内の格差は参加国中で最大なのだから、順位と国の姿は別物である。教育の目的がその国の経済的成功にあるのではないことは明白だ。ただし、国際社会において経済力は国民を守るために必要なものであり、その意味でPISAと経済の関係を切り離して考えることもまたできない。もう一つ興味深い知見は、経済格差に加えて、AIの利用が子どもの読解力に負の影響を与えることがデータとして示されたことである。AIで文章を書かせる生徒ほど読解力が低いという相関は、因果とは言えないまでも、学びの負荷を手放すことの代償を考えさせる。

本記事の要約は各出典記事の内容にもとづき、筆者が要点を整理したものです。

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