少子化のなかで、待機児童が9年ぶりに増えた。子どもの数ではなく、受け入れる側の働き手が減っているのではないか。今日はこの1件と、AIチューターの効果がどこで決まるのかを示した海外の研究ブリーフの、あわせて2件を取り上げる。
国内の教育ニュース
待機児童2,435人、9年ぶりに増加
こども家庭庁は2026年8月28日、保育所等の待機児童数が9年ぶりに増加に転じたことを公表した。2026年4月1日時点の待機児童数は2,435人で、前年から181人の増加である。待機児童は都市部に集中しており、特に東京都が全体の半数近くを占めている。長らく減少が続いてきた指標が反転した点で、今後の保育政策に影響を与える可能性がある。
出典:ReseEd(リシード)/待機児童2,435人、9年ぶりに増加…こども家庭庁
筆者コメント
少子化の時代になぜ待機児童が増えるのか。子どもの数ではなく、受け入れる側の働き手がいなくなっているのではないか、というのが率直な疑問である。そしてその働き手の候補は、実は身近なところにいる。私の母もそうだが、年金だけで生活を成り立たせるのは今や無理であり、働き続けざるを得ない高齢層は確実に存在する。保育の現場がそうした人たちの受け皿になれば、双方にとって悪くない話になるかもしれない。ただし現状の報酬は薄給で、やらないよりはまし、という程度にとどまる。ここが変わらないかぎり、受け皿としては機能しないだろう。
海外の教育ニュース
AIチューターの効果は「人の関与」次第――スタンフォードSCALEの研究ブリーフ
米Education Weekは2026年8月28日、スタンフォード大学SCALEイニシアチブのAI Hub for Educationなどが公表した、AIを用いたチュータリングの効果に関する研究ブリーフを紹介した。ブリーフはAIチューターを「対面・遠隔の人間チューター」「人間チューター+AI支援」「AIチューター+人間の見守り」「AIのみ」という人の関与の度合いで分類し、既存のエビデンスと突き合わせている。現時点で最も強い効果が確認されているのは、生徒が直接AIを使う形ではなく、人間のチューターを支援するために設計されたAIツールだという。AIのみのモデルでは、独力に任せると生徒の40〜47%がプラットフォームを一度も使わなかったとする研究も紹介されている。
出典:Education Week/When Does AI Help Most With Tutoring? What Emerging Research Says
筆者コメント
非常に興味深い知見である。ただし、この結論を現場で活かそうとするなら、チューターの側もAIを学ぶ必要があるということになる。人間のチューターを支援するツールが最も効果的だというのは、裏を返せば、そのツールを使いこなす力が前提になるということだからである。そして気になるのは、仕事の効果が高まることと、業務時間や手間が減ることは別だという点である。効果が上がる一方で、学ぶ手間と使う手間が新たに積み上がるのであれば、負担そのものはどうなるのか。そこはまだ判断がつかない。
本記事の要約は各出典記事の内容にもとづき、筆者が要点を整理したものです。


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