教育ニュースまとめ 2026年9月13日|家庭の支援的関わりOECD最下位、ソウルは移民背景の児童2万2千人超に対応

教育時事

PISA2025で日本の子どもは3分野とも上位を保ったが、「家庭による支援的な関わりの頻度」はOECD加盟国中で最下位だった。学力の順位よりも、この一項目のほうが重い。今日はこの文科相会見を軸に、韓国・ソウル市の多文化教育支援と、米カリフォルニア州の子ども保護法を並べて読む。

国内の教育ニュース

文科相、PISA2025の読解力低下を「精緻に分析」──家庭の支援的関わりはOECD最下位

松本文部科学大臣は9月11日の記者会見で、9月8日に公表されたPISA2025の結果について、読解力の課題を精緻に分析していく考えを示した。日本は3分野ともOECD平均を上回り上位を維持したものの、読解力では「流ちょう性」で正確に読めた生徒の割合が低下した一方、「情報を探し出す」「理解する」はOECD平均が下がるなかで横ばい、「評価し、熟考する」は有意に上昇するなど、下位技能ごとに明暗が分かれた。あわせて質問紙調査では「家庭による支援的な関わりの頻度」がOECD加盟国中最下位となり、大臣は学校が責任を持って取り組む一方で家庭や地域の理解が不可欠だと強調した。

出典:教育新聞「読解力などが課題のPISA 「精緻に分析」と文科相」(2026年9月11日)

筆者コメント

家庭の支援的関わりの低下は、非常に憂慮すべきことである。まず求められるのは、なぜこうなったのかという原因の究明だ。そのうえで強調したいのは、これは学校と家庭のあいだだけで片づく問題ではないということである。子どもの学びを家庭がどう支えるかは、社会全体の理解と対応があってはじめて変わる。政府や文部科学省も、学校に責任を求めるだけでなく、家庭の関わりの意義を積極的に唱導するキャンペーンを展開し、そうした文化の醸成に自ら働きかけるべきではないか。

海外の教育ニュース

ソウル市教育庁、移民背景の児童生徒2万2千人超に対応──多文化教育支援センター2か所目・韓国語予備学校を拡充

ソウル市教育庁は、移民背景をもつ児童生徒が2万2,000人を超え5年間で13.6%増えたことを受け、教育監の2期目の政策ロードマップに多文化教育支援の拡充を盛り込んだ。鍾路区の小学校内に2か所目の多文化教育支援センターを2027年2月に開設し、相談・教員研修・AIやエドテックを活用した学習設備を備える。新来生向けに集中的な韓国語教育を行う「韓国語予備学校」は2026年の3校から2029年に5校へ増やし、校内開設や大学委託などに運営形態を多様化する。移民背景の生徒が20%以上の学校(従来は30%)には少人数学級や多言語講師の追加配置を行い、学校と家庭の言語の壁を減らすAI同時通訳・翻訳サービスも今年後半に試行する。

出典:The Korea Herald「Seoul schools to ramp up language support as classrooms diversify」(2026年9月7日)

筆者コメント

日本も同様に、移民背景の子どもへの対応にリソースを割く取り組みを進めていくべきである。とりわけ問題になるのは言語の壁だ。ソウル市が韓国語予備学校を段階的に増やしているように、日本でも日本語予備学校にあたる仕組みを拡充し、受け入れ態勢を整える必要がある。外国人を人材として確保するだけ確保して、その子どもの教育はあとは現場任せというのでは、あまりに無責任だろう。受け入れの決定と、それに見合う教育資源の配分は、切り離せないものとして考えなければならない。

米カリフォルニア州、子どもをSNS・AIチャットボットから守る包括法に署名──学校配布PCの受け取り拒否も可能に

カリフォルニア州のニューサム知事は9月10日、子どもをテクノロジーのリスクから守る一連の法律に署名した。大手SNS企業が子どもに害を与えたと認定された場合に児童1人あたり最大100万ドルの罰則を科すこと、16歳未満への「依存性のあるフィード」の提供を禁止すること、AIチャットボットの運営者に事前のリスク評価を義務づけることに加え、家庭が学校配布のノートPCの受け取りを拒否できる規定も含まれる。チャットボットとのやり取りの後に息子を亡くした母親の訴えが法制化のきっかけの一つとなった。Metaは個別化されたフィードの制限に懸念を表明している。

出典:Education Week「New California Laws Aim to Protect Kids From Social Media, AI Chatbot Risks」(2026年9月11日)

筆者コメント

海外のこうした動きは本当に早い。SNSの依存性のあるフィードの禁止からAIチャットボットのリスク評価、学校配布PCの受け取り拒否まで、リスクが指摘されてから法制化に至るまでの速度には目を見張るものがある。背景には、子どもを守るという意識の強さがあるのだろうか。日本で同じ問題がどう扱われているかを振り返ると、この早さの差は考えてみる価値がある。

本記事の要約は各出典記事の内容にもとづき、筆者が要点を整理したものです。

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