教育ニュースまとめ 2026年9月26日|米学区長の3分の2が給食予算不足、教員養成は「職員集団」へ

教育時事

今日は、学校に入ってくる人とお金の話。

2026年9月26日の教育ニュースから、気になった3件を取り上げる。国内は、教員養成・採用・研修の制度見直しを示した審議まとめと、生成AIとの関わり方の違いが探究学習に与える影響を調べる実証実験。海外は、米国の学区長の3分の2が連邦予算の不足で学校給食の運営に支障が出ていると答えた調査である。

国内の教育ニュース

質の高い職員集団の形成へ教員制度改革の審議まとめ…免許制度の再設計、高校段階での教職課程の単位認定も検討

文部科学省は2026年9月17日、「多様な専門性を有する質の高い職員集団の形成を加速するための方策」と題した審議まとめ(→9月18日の回)を公表した。教員養成・採用・研修の各制度を通じて教員の質と量を確保することをねらいとし、免許制度や教職課程の再設計を検討課題に挙げている。具体的には、高校段階における教職課程の単位認定を検討対象とし、教員以外の多様な人材が学校教育に参入しやすくする方策もあわせて示された。

出典:ReseEd「高校教育改革の先導校を追加採択、教員制度改革の審議まとめ…教育業界ニュースまとめ読み」(2026年9月24日)

筆者コメント

審議まとめでは「教員集団」ではなく「職員集団」という言葉が用いられている点がポイントだろう。今後、多様な専門性を持つ人材が学校教育に参入してくることが見込まれる。こうした開放的な体制は、教育改革を推進するうえで有用に機能する可能性への期待感がある。一方で、多様な専門家の参入は新たな境界も生み出すはずである。その境界がどのように現れ、どう調整されうるかを、研究者が調査し、より良い在り方を模索したり調停したりしていく必要があると考える。

生成AIとの「関わり方」で探究学習は変わるか…慶大・安宅研究室とマイパレが中高生500名規模で実証実験

株式会社マイパレは慶應義塾大学・安宅和人研究室と協力し、生成AIとの関わり方の違いが探究学習に与える影響を検証する実証実験を2026年10月から12月にかけて実施する。マイパレは、テーマ発見から情報収集・分析・まとめまでを生成AIとの対話で支援するサービス「マイパレ for school」を提供しており、今回は認知的支援・メタ認知的支援・標準的対話の3パターンを比較する。対象は研究協力校の中学生・高校生最大500名で、同じAIとの対話でも「また相談したい」という継続的な関与が生まれにくいという課題に対し、関わり方の工夫によって生徒が自力で探究を続けられるようになるかを調べる。

出典:こどもとIT(2026年9月24日)該当記事

筆者コメント

この実証実験について気になるのは、調査に参加する子どもたちの偏りである。一般に、こうした調査に参加する子どもたちは、全体の中でも意欲や適応力が高い層に偏りやすい。本当に注意を向けるべき問題は、そうした調査には現れてこない、隠れた子どもたちの側にあるのではないか。とりわけ、テクノロジーへの依存は格差の中で生じやすいものであり、生成AIとの関わり方を論じる際にも、この視点を欠かすことはできないと考える。

上のコメントの「テクノロジーへの依存は格差の中で生じやすい」について:2026年9月22日の教育ニュースまとめ(体験格差と休み時間の不平等)で扱っています。

海外の教育ニュース

【米国】学区長の3分の2が「連邦予算の水準が給食の運営を妨げている」…4割は学業予算から資金を転用

米国学校管理者協会(AASA)が2026年9月21日に発表した調査によると、67%の教育長が、現在の連邦予算の水準が学校給食プログラムの運営を中程度から著しく妨げていると回答した。43州429人の学校指導者を対象とした調査では、40%が児童生徒の給食費用をまかなうために、学業プログラムを含む他の予算から資金を転用せざるを得なかったと報告している。さらに約3分の1の指導者が、不十分な連邦払い戻しを補うために学業支援プログラムや補習教育への支出を削減したと答えた。ほとんどの教育長は、連邦払い戻しが運営コストの21〜80%しかカバーしていないとしており、81%以上をカバーしていると回答したのはわずか22%にとどまる。

出典:K-12 Dive「Lack of federal funding hindering school meal programs, superintendents say」(2026年9月21日)

筆者コメント

日本もこの問題を対岸の火事とみなすことはできない。これは本当に予算不足だけの問題なのだろうか。人は、公金で賄われると分かれば予算を無限のものと錯覚し、関係者で吸い尽くそうとしてしまう生き物である。予算を増やせば、仲介業者がこぞって参入し、中抜きが横行し、そのしわ寄せが子どもの食事に及ぶ可能性も十分にある。予算の拡充はもちろん必要だが、それと同時に資金の流れを注視し、拡充分が実際に子どもたちの給食の充実につながっているかを丁寧に確認していく必要があると考える。

本記事の要約は各出典記事の内容にもとづき、筆者が要点を整理したものです。

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