教育ニュースまとめ 2026年9月1日|授業時数は学校裁量へ、特別選考は60自治体

教育時事

授業時数の配分が、国から学校の手に渡ろうとしている。今日は国内2件、海外1件。新しい学習指導要領で時数を学校裁量に委ねる方針、教員採用試験における「多様な人材確保」の広がり、そして米国で報じられたわらべ唄と初期リテラシーの話題である。

国内の教育ニュース

教員採用試験における「多様な人材確保」の時代

文部科学省によれば、2025年度採用選考では68自治体のうち60自治体が、民間企業等での勤務経験を加味した特別選考を実施している。教職経験についてはすべての自治体が特別選考を行っており、英語の資格等を加味する選考は63自治体、スポーツの技術・実績を加味する選考は40自治体、国際貢献活動経験等を加味する選考も40自治体にのぼる。普通免許状を持たない社会人を迎え入れる「特別免許状」も活用が進み、授与件数は2022年度500件、2023年度611件、2024年度591件、制度創設からの累計は3,976件となった。一方で、2025年度の採用者3万7,375人のうち民間企業等勤務経験者は1,587人、全体の4.2%にとどまる。

出典:ReseEd(リシード)(2026年8月31日) 【教師への扉】教員採用試験における「多様な人材確保」の時代

筆者コメント

多様な人材の確保は、逆に教職志願者を減らす手立てになるのではないかと考えている。一度社会人を経由しても教職に就けるのだから、と考える大学生が増え、最初から教職を目指さなくなるからである。現状では、教員採用試験で有利に働くという理由から、非常勤講師や常勤講師を務めようとする大学生が多い。特別選考の枠が広がれば、そうした人員が社会人経験というルートへ流れていくことになる。もっとも、良い意味で捉えるなら、これは真の意味での教職の魅力が問われる局面だともいえる。

新学習指導要領、教科の授業時数を学校の裁量で増減可能に

文部科学省の審議会は、2030年度から実施される新しい学習指導要領について、小中学校の裁量で教科ごとの授業時数を増減できる制度を導入する方針をまとめた。学習指導要領は小中学校や高校の教育内容と目標を定めるもので、授業時数はこれまで国が標準を示す形が基本だった。同じ学習指導要領の議論では、生成AIの普及を念頭に情報教育を新教科として大幅に拡充する方針も8月31日に報じられており、教育課程の枠組み全体が見直し局面に入っている。

出典:NHKニュース(2026年9月1日) 新学習指導要領 授業時数を学校判断で調整可能に

筆者コメント

この方針は以前から話題になっていた。特色ある学校づくりにつながる点で、学校や教師の主体性を高めるよい取り組みである。教科ごとの時数をどう配分するかを自分たちで決められるということは、何を重点に置くのかを学校として言語化できるということでもある。一方で、その分だけ組織としての、そして教師自身の学びに対する責任は高まる。裁量が与えられれば、その判断の根拠を持つことが求められるからである。

海外の教育ニュース

米国:わらべ唄の衰退は初期リテラシーに何をもたらすか

幼稚園入学時のレディネス・チェックリストは、文字の認識、語頭音の把握、文字と音の対応、韻を見つけたり作ったりする力といった初期リテラシーに大きく依存している。Education Weekは、これらを高める最も簡便な方法としてナーサリーライム(わらべ唄)の暗唱を取り上げた。全米幼児教育研究所のW. Steven Barnett所長は、幼児教育プログラムにわらべ唄を取り入れないことは、子供の発達を効果的に支える蓄積された暗黙知を失うことだと指摘する。研究の蓄積もあり、2009年の研究は3歳時点でのわらべ唄の知識がのちの読み書きの成功を予測することを示している。しかし読み聞かせの時間は減っており、HarperCollins UKの2025年調査では、4歳以下の子供に頻繁に読み聞かせをする保護者は41%で、2012年の64%から低下している。

出典:Education Week(2026年8月27日) Hey Diddle Diddle: What the Decline of Nursery Rhymes Means for Early Literacy

筆者コメント

これは興味深い。わらべ唄そのものの要素を見ていないので断定はできないが、地域のアイデンティティとも関連するのではないかと考えている。自分がどこの、どういう共同体に属しているのかという感覚は自己概念にとって大事なものであり、その自己概念が学びに影響を与える側面もある。初期リテラシーの技能という観点だけでなく、そうした側面からも捉えてみたい話題である。

本記事の要約は各出典記事の内容にもとづき、筆者が要点を整理したものです。

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