教育ニュースまとめ 2026年9月18日|教員免許を3段階に再編、「強み専門性」20単位を要件に

教育時事

今日は、制度をつくる側の話が続く。

2026年9月18日の教育ニュースから、気になった4件を取り上げる。国内は中教審教員養成部会の「審議のまとめ」、スポーツ庁の地域クラブ活動フェス、デジタル教科書の指針をめぐる議論、海外は米フロリダ州のAI利用規則である。

国内の教育ニュース

中教審教員養成部会が「審議のまとめ」を公表…教職課程に「強み専門性」20単位、免許を基礎・標準・上級に再編

中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会は2026年9月17日、「多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を加速するための方策について(審議のまとめ)」を公表した。明治期・戦後に続く「第三の抜本的改革」と位置づけ、学位課程との結節点となる「強み専門性」20単位程度を標準的な免許状の授与要件とする。免許状は、短期大学士を基礎資格とする「基礎的な免許状」、学士を要件とする「標準的な免許状」、上進による「より上級の免許状」に再編し、基礎から標準への上進に必要な勤務年数は5年以上から3年以上に短縮する。養成段階で学んだ強み専門性は勤務を通じて深め、大学院での学修を通じて専修免許状につなげ、主務教諭の任命に結びつける方向も示された。一般教養科目のうち日本国憲法は「教育法規」に、データ活用・AIは「教育データ・AI」として教職課程に内在化する一方、外国語コミュニケーションと体育は教職課程に位置づけない整理とした。

出典:文部科学省「多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を加速するための方策について(審議のまとめ)」(2026年9月17日)

筆者コメント
免許状に段階を設けるのは有効な考え方である。「上級」の中身だけはよくわからなかったが、修士相当の専修免許状のようなものを指すのだろうか。現在の教員評価制度で問題なのは、内部評価である点だ。管理職に気に入られた者が評価され、給与の優遇を受ける。しかし、何を頑張ればよいのかが不明であり、この曖昧な基準がよろしくない。今回のように大学や研究機関といった外部の機関との接点が生じる制度があれば、学び直しや組織改革も起こしやすいのではないか。我々も現状に甘んじず学び、社会へ還元できるようにしたい。

スポーツ庁、「私たちの“地域クラブ活動”フェス2026」を初開催…自治体からショート動画を募集し優れた取組を表彰

スポーツ庁は2026年9月17日、部活動の地域展開(→9月4日の回)に関する普及・啓発の一環として「私たちの“地域クラブ活動”フェス2026」(略称:ちいかつフェス)を新たに開催すると発表した。地域クラブ活動に参加する子供たちの声などを通じて、その魅力や地域ならではの工夫が伝わるショート動画を地方公共団体から募集し、スポーツ庁長官賞1点、自治体特別賞1点、優秀賞3点程度、奨励賞を表彰する。応募は1自治体5作品まで、期間は10月1日から11月30日正午まで。応募作品を各自治体やスポーツ庁の公式SNSで発信し、部活動の地域展開の全国的な実施に向けた機運醸成を図るとしている。

出典:スポーツ庁(PR TIMES)「私たちの“地域クラブ活動”フェス2026を開催します」(2026年9月17日)

筆者コメント
このようなフェスの役割には、各地の実践例に触れられるという面もあるが、何より社会全体に機運を醸成することにこそ本質があるのだろう。部活動の地域展開は、学校や指導者だけで進められるものではなく、保護者や地域の理解と関与が不可欠である。子供たちの声を通じて地域クラブ活動の魅力を可視化し、全国で共有する仕組みは、その土台づくりとして意味をもつ。

デジタル教科書の指針検討会議・第5回議事録を公開…ハイブリッド型は「紙の本文+QR」に限定せず、フルデジタルは高学年以上を軸に議論

文部科学省は2026年9月17日、「デジタルな形態を含む教科書の発行・採択等の指針に関する検討会議」第5回(8月18日開催)の議事録を公開した。採択権者の意向調査では全学校種・全教科でハイブリッド型を望む回答が最多で、事務局は、全てがデジタルの教科書は対象学年を一定学年以上に限定すること、教科特性や発達段階に応じて紙とデジタルの比重を変えることなどを論点として示した。座長代理からは、ハイブリッド型を「紙の本文+QRコード」に限定せず端末画面に書き込める可能性を残す提案があり、現場委員からはフルデジタルは小学校高学年以上や英語などの実技系教科に限るのが望ましいとの意見が相次いだ。アクセシビリティに関しては、申請なしで誰でも読み上げ等の共通機能を試せる方向が長期目標として提案された。2030年度の新たな教科書導入に向け、指針の取りまとめが進む。

出典:文部科学省「デジタルな形態を含む教科書の発行・採択等の指針に関する検討会議(第5回)議事録」(2026年9月17日)

筆者コメント
紙からデジタルへ段階的に移行していくのはよい案である。フルデジタルであっても、人によっては使いこなせるように、幅のある仕組みにしておくことが理想だ。一律に形態を決めるのではなく、教科や発達段階、そして一人一人の特性に応じて選べる余地を残すべきである。もっとも、制度としてどう設計しても、最終的には現場がそれをどう引き取るかにかかっている。

海外の教育ニュース

【米国】フロリダ州が学校でのAI利用に「保護者のオプトイン」を義務化…AI禁止だけでは「テックラッシュ」は収まらないと保護者団体

フロリダ州教育委員会は2026年9月16日、学校でのAI利用を制限する新規則を承認した。学区はAI学習ツールの名称、使用する科目、生徒の関わり方を保護者に通知し、事前に承認を得る「オプトイン」方式をとることが求められ、保護者はAIを使わない代替アプリを選べる。生徒の社会情動的ニーズに対応する「コンパニオン・チャットボット」の使用は禁止される。ニューヨーク市とロサンゼルスが生成AIを部分的に禁止したのに続く動きだが、保護者団体や専門家は、AIを禁止しても教育テクノロジーの過剰使用全般をめぐる議論から学区が逃れられるわけではないと指摘する。EdWeekリサーチセンターの調査では教育関係者の61%が「保護者の多くは学校のテクノロジーが多すぎると感じている」と回答した一方、保護者調査ではAIの利点と欠点が「同程度」とする回答が52%を占め、意見は割れている。

出典:Education Week「Banning AI Alone Won’t Snuff Out the ‘Techlash,’ Parent Advocates Say」(2026年9月17日)

筆者コメント
これはこれで、現場の先生方は大変である。保護者に承認を求める仕組みは、家庭の意向を尊重するという点では筋が通っているが、保護者が認めなかった場合、教師はどうすればよいのだろうか。同じ教室の中でAIを使う生徒と使わない生徒が混在すれば、授業の設計も評価も二重に用意することになる。制度の趣旨とは別に、実際に運用する教師の負担がどこまで想定されているのかが気になる。

本記事の要約は各出典記事の内容にもとづき、筆者が要点を整理したものです。

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