神戸市で1,051のクラブが登録され、市立中学校の部活動が学校の外へ出た日である。今日は国内2件、海外1件。部活動の地域移行と次期学習指導要領の動き、そして生成AIをめぐる米国の学校現場の混乱を取り上げる。
国内の教育ニュース
神戸市、全市立中学校で部活動を終了し地域クラブ「コベカツ」を本格開始
神戸市は市内すべての市立中学校で学校単位の部活動を終了し、9月1日から地域の団体が運営・指導を担う新しい形のクラブ活動「コベカツ」を本格的に始めた。登録クラブ数は1,051にのぼり、地域の文化芸術団体やスポーツチーム、部活動のOB・OGなどが運営と指導にあたる。教員の負担軽減とともに、生徒が学校の枠を超えて好きな活動に参加できる環境を整えることが狙いとされる。兵庫県内では西宮市や姫路市などでも9月から地域移行が始まっている。
出典:サンテレビニュース「神戸市で部活動地域移行「コベカツ」が本格的にスタート」(2026年9月1日)
筆者コメント
関西の地域でも、体育教師が部活動を全くみなくなったという話を聞くようになった。神戸市のように平日・休日を一体で地域に移し、1,051ものクラブが登録されるという規模になると、それは一部の学校の話ではなく、地域全体の日常の変化である。体育教師にとって部活動は長く指導者としての専門性を発揮する場でもあったが、その役割が学校の外に移りつつある。負担軽減という意味では歓迎すべき変化だが、体育の教師が運動やスポーツの場から離れていくことによって、世論的な体育教師の価値はどのように解釈されるだろうか。体育教師の役割における教科としての体育の位置づけによい影響があることを願いたい。
次期学習指導要領は「情報活用・合意形成」を重視…文科相9/1会見
松本洋平文部科学大臣は9月1日の記者会見で、8月31日に中央教育審議会特別部会に示された次期学習指導要領の審議まとめ案について、SNSによる偽情報・誤情報の拡散を背景に、情報活用能力の抜本的向上と「対話と合意による意見形成」を重視する考えを示した。特別活動ではクラスメートと「納得解」「暫定解」をつくり上げる合意形成を重視する方向性が示されている。あわせて、神戸市の部活動地域展開を「他自治体の参考になる」と評価し、2026年度からの6年間を改革実行期間とする方針を再確認した。
出典:ReseEd「次期学習指導要領、情報活用・合意形成を重視…文科相9/1会見」(2026年9月2日)
筆者コメント
他者との調和や協働が、理念ではなく指導内容として内容化され、その手続きもかなり具体化されてきている。「納得解」「暫定解」をクラスメートとつくり上げるという表現は、合意形成を到達点ではなく過程として扱う姿勢のあらわれである。体育の授業でも、ルールづくりや作戦の話し合い、チーム内の役割分担は、まさに対話と合意の場である。次期指導要領がこの方向を明確にするのであれば、体育科は協働の手続きを身体を通して学ぶ教科として、その位置を改めて示せるのではないか。
海外の教育ニュース
Googleが「Gemini」を全年齢のK-12児童生徒に開放、学校側は対応に追われる(米国)
Googleは8月、世界で1億5,000万人以上が使う「Google Classroom」で、AIチャットボット「Gemini」を18歳以上に限っていた制限を撤廃し、K-12の全年齢の児童生徒が利用できるようにした。生徒は教材からフラッシュカードや練習問題を作ったり、数学や作文の課題の助けを求めたりできるが、学区は通常の事前検証の時間がないまま、許可か禁止かを即座に判断せざるを得なくなった。オハイオ州では全学区にAI方針の策定が義務化されたばかりで、記事で紹介された高校は教員研修が済んでいないとしてGeminiを無効にしている。Common Sense Mediaは今回の展開を「許可ではなく採用がデフォルト」と批判している。
出典:Education Week「Schools Caught Flat-Footed After Google Makes Gemini Chatbot Available to All Students」(2026年9月1日)
筆者コメント
これは混乱を生むだろう。事前検証の時間もなく、企業側の都合で一斉に機能が開放されれば、学区や学校が即座の判断を迫られるのは当然である。しかし同時に、教員研修が済んでいないから無効にする、州として全学区にAI方針を義務づける、年齢に応じた適切な利用とは何かを問い直すといったように、きちんと問題意識を持って対応しているのはすごいと思う。混乱そのものよりも、混乱に対してどう向き合うかが組織の力量を示すのであり、その意味で今回の事例と今後の展開には学ぶところがある。
本記事の要約は各出典記事の内容にもとづき、筆者が要点を整理したものです。


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